口唇ヘルペスの症状や原因、感染力の強さ、治療法

口唇ヘルペスの症状や原因、感染力の強さ、治療法

口唇ヘルペスは、唇や口の周りに水ぶくれができる病気です。最初にチクチクとした痛みを感じて水ぶくれができてから、10日から2週間くらいすると自然に治ります。口唇ヘルペスの症状や原因、感染力などを詳しく紹介します。

口唇ヘルペスとは?

手鏡で口元を映す女性
唇の周囲などに水ぶくれが起こる口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症です。

ヘルペスウイルスは感染力が強く、水疱の中の液に触れることで感染することもあります。発症している人が患部を拭いたタオルを、別の人が共用することで感染する場合もあります。

ヘルペスウイルスの特徴は、何度も再発してしまうことです。症状が治まっても、生き残ったウイルスは体内の奥に潜み、体が弱っているとき再び増殖します。一度、ヘルペスウイルスに感染してしまうと、体内から完全に排除することができません。

口唇ヘルペスは、2週間ほどすれば症状が落ち着いてきます。この間に、日常生活の中で感染を広げてしまう可能性があります。また、自分の唇意外の部分に感染させてしまう可能性もあるので注意が必要です。

初感染の際は重症化しやすく、リンパの腫れや高熱が出る人もいます。症状に気づいたら、すぐに病院を受診しましょう。

皮膚に疾患がある人、アトピーによる皮膚炎が出ている人は、肌のバリア機能が衰えているため、通常よりも感染しやすくなります。

口唇ヘルペスの症状・口の周りの水ぶくれ

口元を手で隠す女性
口唇ヘルペスの特徴的な症状は、口の周りの水ぶくれです。

人によっては口の周りだけでなく、口の中にまで症状が出てしまうこともあります。ひどい場合には、のど元にまで広がる場合もあります。

水ぶくれは痛みを伴うのが特徴です。半日ほどで赤く腫れ上がり、多くの人が普通の湿疹と違うと自覚できる状態になります。

小さな水ぶくれができるCold sores – NHS

水ぶくれは破れやすいうえ、なかの液体にはウイルスがいます。液に触った指で目をこすると、ウイルスが目に感染するので注意が必要です。

  1. 気になっても、むやみに水ぶくれに触らないようする。
  2. 2週間ほど経過してかさぶたができるまでは、患部を清潔に保つ必要がある。
  3. 再発の人は大きな水ぶくれは比較的できにくく、高熱が出ることも少ない。

水ぶくれができる前段階の症状として、口の周りでピリピリとした痛みを感じる人がいます。これは、口唇ヘルペスの原因ウイルスである単純ヘルペスウイルスが、活動を活発化させ、増殖し始めているときに起こります。

1度発症した人は、この段階で口唇ヘルペスだと気づくでしょう。前兆が起こってから水ぶくれに移行まで、2日から3日ほどかかります。それまで薬を使って治療すると、症状が悪化しにくいです。

口唇ヘルペスの原因・ストレスなど多様な原因で再発する

イライラして鉛筆に噛み付く女性
口唇ヘルペスの感染原因は、感染者との直接的、間接的な接触です。性行為や、感染者が使ったタオルを共有することで感染します。

口唇ヘルペスは、一度発症してしまうと、たびたび再発します。再発の原因は、免疫力の低下です。

口唇ヘルペスの症状が治まったあとも、一部のウイルスは体内に潜伏します。潜伏したウイルスは、普段は身体の免疫力によって活動が抑えられています。免疫力が衰えてくると、ウイルスが活発に活動を始め、再び症状を引き起こすのです。

免疫力の低下には様々な原因があります。

ストレスや疲労が蓄積すると、体のいろんな機能を低下させてしまうため、口唇ヘルペスが再発しやすくなります。

風邪や体調不良も、免疫力が下がり、口唇ヘルペスが再発しやすくなるので注意が必要です。また、強い紫外線を受けて肌がダメージを受けていると、ヘルペスウイルスが皮膚で増殖しやすくなります。

体をできるだけ健康に保つことが再発予防に繋がります。ストレスや疲労を溜め込まないために、日頃から必要な栄養を十分にとって、ぐっすり眠ることが大切です。

運動を疎かにしても体調を崩しやすいので、体を動かす日を設けて規則正しい生活を心がけましょう。

口の周りに違和感が起こったら、病院を受診するか、市販薬で対策しましょう。

口唇ヘルペスの感染力・キスでもうつる(初発)

男性からのキスを避ける女性
口唇ヘルペスは、唇の周りに痛みを伴う水ぶくれを引き起こす病気です。

そのため、キスが原因で、相手の口腔粘膜にウイルスが移り、パートナーも感染してしまう可能性があります。また、唇やその周囲に傷がある場合、そこから感染する場合もあります。

また、ヘルペスウイルスは、一度感染すると根治できません。口唇ヘルペスにかかったら、パートナーにウイルスをうつしてしまわないよう、注意が必要です。

口唇ヘルペスを引き起こすウイルスは感染力が強く、患部に触れたコップやタオルを共有することで感染が広がることもあります。

感染を広げないために、症状が出ているときは、パートナーとのキスやオーラルセックスは避けましょう。

水ぶくれやかさぶたやなど、患部に触ってしまったら、すぐに手を洗い、コップやタオルなどは共有しないようにしましょう。

ヘルペスウイルスに感染したからといって、一生キスができないというわけではありません。身体の免疫力が正常に働いていれば、ヘルペスウイルスは体内の奥深くに潜伏し、症状を引き起こすことはありません。

症状が出ていなければ、キスで相手にうつることはありません。

口唇ヘルペスの感染力・赤ちゃんにもうつる(初発)

両親からキスをされる赤ちゃん
口唇ヘルペスの症状が出ているときに、キスなどの接触をすることで、赤ちゃんにもウイルスがうつってしまうことがあります。

ヘルペスウイルスは感染力が強く、湿疹やアトピーで皮膚が傷ついてる時は触れただけで感染することもあるのです。

口唇ヘルペスの発症中に赤ちゃんと接する際は、きちんと手洗いをしてマスクを着用しましょう。また、赤ちゃんと一緒にお風呂に入ったり、食器やタオルの共用したりするのは避けましょう

赤ちゃんが口唇ヘルペスに感染した場合、合併症を引き起こすので注意が必要です。

ヘルペス性歯肉口内炎は、生後6か月以降の乳幼児に起こりやすい合併症で、高熱や水ぶくれなどが出ます。感染してもすぐに症状が出るわけではなく、ウイルスが2日から10日ほど潜伏してから発症することが特徴です。

合併症の1つである新生児ヘルペス脳炎は、適切な治療をしないと死亡率が非常に高くなる病気です。生後2日から7日で発症することが多く、肝機能障害や呼吸障害、黄疸が出ることが多いです。出産後すぐに発症するので、産婦人科で治療を受けることができますが、ウイルスは体内に残って再発を繰り返します。

赤ちゃんがヘルペスウイルスの感染すると、成人以上に健康リスクが高くなるので、一層の注意が必要です。

口唇ヘルペスの治療・ヘルペス治療薬が効果的

薬を手にする女性
口唇ヘルペスの治療では、バルトレックスやゾビラックスといった治療薬が使われることが一般的です。これらの抗ウイルス薬には、ウイルスの活動を抑制することができます。

口元に違和感が出始めた時点で薬を使い始めると、症状の悪化を防ぐことができます。そのため、唇の周りに異変を感じたら、早めに治療を開始しましょう。

基本的には、内服薬を使って治療をすることになりますが、場合によっては外用薬を使うこともあります。

ウイルスは、皮膚の表面と体内に存在します。内服薬と外用薬を併用することで、両方のウイルスに対処することが可能です。

ヘルペスウイルスは、1度感染すると、体内から完全に除去することができません。そのため、口唇ヘルペスの再発は、生涯に渡って付き合っていくことになります。

一方、薬を使ったり予防を心がけたりすれば、再発の頻度を減らすことや、再発時の悪化を防ぐことができます。少しでも患部に違和感を覚えたらすぐに適切な治療を開始しましょう。