水疱瘡の症状と治療・予防法

水疱瘡の症状と治療・予防法

水疱瘡は、急性のウイルス感染症として知られています。ヘルペスウイルスの一種「水痘・帯状疱疹ウイルス」に初めて感染した際に発症します。

水疱瘡とは?

子供の手を握る

水疱瘡は、急性のウイルス感染症として知られています。ヘルペスウイルスの一種「水痘・帯状疱疹ウイルス」に初めて感染した際に発症します。

水痘・帯状疱疹ウイルスは、感染力が非常に強いのが特徴です。感染者の唾液の飛沫に触れなくとも、部屋や教室といった同じ空間にいるだけで感染する可能性があります。そのため、幼稚園や学校に通う子供の間であっという間に広がることがあります。

初めてウイルスに感染した際に発症する理由は、水痘に対しての免疫を持っていないためです。

感染から発症までの潜伏期間は、およそ2週間です。一般的には、一度かかると二度とかからないとされていますが、抗体がなくなることで再び発症する場合があります。

また、治癒した後も神経節にウイルスが潜伏します。潜伏していたウイルスが、免疫力の低下をきっかけ再び活性化し、帯状疱疹を起こすこともあるので、注意が必要です。

水疱瘡の伝染は、マスクの着用だけでは不十分です。最も有効な防衛手段はワクチンの接種であるということを覚えておいてください。実際、水痘ワクチンが定期接種となってからは、水痘発症者が減少しています。

水疱瘡の症状

うつむくこども
水疱瘡の症状として顕著なのは、全身に現れる直径3ミリから5ミリぐらいの紅い発疹です。感染からおよそ2週間の潜伏期間の後に現れます。

成人が水疱瘡にかかると、発疹が出る前に発熱と全身の倦怠感を伴う場合があります。

紅いブツブツは通常、頭皮から始まり、次に胴体、そして手や足へと広がります。最初は「丘疹」と呼ばれる皮膚の盛り上がりでき、やがて水ぶくれになり、その中に膿が溜まることもあります。

その後、かさぶたになって治癒へ至ります。完全な治癒状態になるまでにかかる期間は、およそ1週間です。

水疱は身体があたたまると痒みを増すので、部屋の温度調節に注意しましょう。

人によっては、まったく発熱が見られないということもあります。

健康な子供が水疱瘡にかかっても、重症化することはありません。しかし、成人患者やアトピー性皮膚炎をもっている人、抗がん剤を使用している人は重症化しやすく、命に関わることもあります。

水疱瘡の抗体を持っていない、20週目までの初期妊娠期間中の妊婦は、特に注意が必要です。2%の確率で、胎児の低体重出生や四肢の形成不全、小頭症や白内障を引き起こす危険性があります。

水疱瘡の予防接種

予防接種
水疱瘡は、子供によく見られる病気です。子供のときに水疱瘡にかかると、免疫がつき、それ以降はほとんど発症しなくなります。一方、大人になってから水疱瘡を発症すると、重症化しやすいので注意しましょう。水疱瘡をを予防するには、予防接種が有効です。

水痘ワクチンは、日本では2014年以降に、諸外国と同様に定期接種となりました。それまでは任意接種の生ワクチンとして、子供を中心に接種されていました。

そのため以前は、予防注射をせずに成人し、成人後に水疱瘡を発症した患者が重症となるというケ-スが後を絶たなかったのです。

水痘ワクチンで重大な副作用が出ることはめったにありません。

予防接種は、1回の接種で完全に感染を防げるという訳ではありません。1回目から3カ月後に再び予防接種をうけた場合、99パ-セント以上の予防効果が見込めるということが判明しています。そのため、1回目の予防接種のああと、6カ月から12カ月後に再度受けることが推奨されています。

子供のときに予防接種を受けていなくて、水疱瘡にもかかったことがないという人は、予防接種を受けることをおすすめします。